※使用するにあたっての注意
・名前欄はPNで構いません。
・件名には小説のタイトルを入れてください。1つの記事に入りきらなかった場合は、その記事に返信で続きを書いて下さい。
その場合はタイトルを「(タイトル)【2】」とするなど、続きだとわかるようにしてください。
・英語のみの本文は投稿できません。件名は英語のみでもOKです。
・メールアドレス、URL、編集/削除キーは任意入力です。
・作品は小説に限らず、詩、短歌、俳句、SSなどの文学作品ならなんでもいいです。
・明らかに荒らしと思われる書き込み、個人名が見られる作品などは告知せずに削除しますのでご了承ください。
おみあし(起) - ぬばぺん会員
2013/07/03 (Wed) 19:49:30
*.ocn.ne.jp
起:ぬばぺん会員
―――須藤、俺は生足が欲しい―――
あいつがそんなことを言い出したのは、鬱陶しい熱気が日常を覆うあの季節だった。
「どうした藪巻クンよ。遂に、今更、とうとうこの国の暑さに嫌気が差したか?あれか?避暑地にムーミン谷にでも飛ぶのかい?」僕はいつ発火するかもしれぬ扇風機(72年製)の首振り可動部を、寝転がりながら足裏でゴリゴリやりつつ言った。
「そうだな、北欧って涼しそうだよな……違う!別に俺はその扇風機と同じくらいおかしくなってはいない!いっ……あーああああ!」急に飛び上がって叫ぶので藪巻は壁から突き出している棚で肘を打ってさらに叫んだ。サングラスがずれる。
セミの鳴き声、藪巻が痛みにのたうちまわる音と、相変わらず糖蜜みたいな空気をそよそよと送り出すボロ扇風機の回転音が重なる。暑い。
「本っ……気だっ…て……」痛みに顔をしかめつつまだ喋るようだ。「私は他でもない『生足』を求める!」もっともらしい顔をしながら、そう仰向けで言い放った。真面目な顔を作ってはいるが、僕らはサングラスをしているのでどう見ても悪党とかチンピラの類にしか見えない。
そうか……彼とは小学生からの付き合いだがそろそろ考える時なのかもしれない。いやいや、こんな夏の日に高校二年生のむさ苦しい男二匹、直射日光を盛大に浴びながら、四畳半ちょっとの部屋で暑さ対策はゴミ捨て場から拾ってきた扇風機ぐらいだ。こうなるのも無理はない。そうだ藪巻は悪くない。悪くない?
「フッ」
「な、なぁ」先程から微笑している僕を見て何か思うところがあったのか生足を求めるチンピラが声を上げる。「いつもより、俺を見る目が……」
「ああ、そうだね、冷たい。お互い付き合いが長いとやっぱり雰囲気で分かるね」棒読み口調で返す。
「悪かった。冗談だよ。しかし、本音を言えば男子たる者誰でも俺は生足を――」藪巻はとたんに早口になって謝罪のようなものを始めた。付き合いが長いと分かるらしい。
「どこか涼しいところに行こう。図書館とか」言葉をさえぎって提案してみる。
「イイネーイコウカ」片言で返事が返ってきた。かなりやられてるな……。
さあ行こう!という時に小さな低い音と焦げたような異臭がしてきた。振り返ると、藪巻が「スゴイスゴイ」とぱちぱち火花を上げて、松明になりかかっているかつての扇風機の姿を眺めていた。見てないで消火してよ。
僕はコンセントを抜いて流し台にそいつを突っ込んで消火してから出かけることになった。
説明 - ぬばぺん会員
2013/07/03 (Wed) 19:56:28
*.ocn.ne.jp
翠夏の担当させて頂いたテーマ「生足」のボツのほうです。
一応(起)なんて付いてますが短いですし、続きを書く気も今のところどっかいきました。誰か書いてくれないかなぁ。……ごめんなさい。迷惑な事がしてみたくてここに放り投げました。罪悪感は……ありません。ひひ。
お願い - ぬばぺん会員
2013/07/23 (Tue) 09:15:01
*.ocn.ne.jp
やっぱりこの投稿は無しでお願いします。あんまりにも酷いので。